難解だよ! FIXED GEAR!

2021.01.08
Kichijoji

ひとえに自転車と言っても
サイズから車種まで本当に多種多様ですよね。

2021年、新しく自転車の購入を考えている方がいたら
当たり前ですが是非ピストバイクをオススメしたい。

ところが難しいのがその難解さ。
これ以上ないほどシンプルな作りにも関わらず、
ほとんどの方が乗ったことがない車種だから
説明もなかなか伝わり難い。

これは店頭でも
一言で説明するのは本当に至難の業なんです。

「乗ればわかる」と言いたい所ですが
試乗車はあくまで試乗。お試し。
フィーリングを確かめてもらうって感じですよね。

実生活で乗ってみたときのインプレッションまでは思い及ばないのも確かだと思います。

このブログをご覧の、今現在ピストに興味をお持ちのあなたの為に

以下少し長くなる予想ですが、最後までお付き合いください。

さて、
友人知人と話していても感じますが
“ピスト”って言った時に
「ブレーキついてないやつね!」
とか
「速いやつね!」
と言われることが多いです。
適当に「そうそう」って言っちゃうんですが
微妙に違う。

世の中に2%しかユーザーがいないって話ですから
理解が及ばないのは当然のこと。

そもそも街乗りピストと競技用ピストでは仕様もかなり異なります。

ピストとは、
フランス語で「競技コース」の意味で
英語ではトラックです。
なので「トラックレーサー」と呼ばれたりもします。

ピストとは本来的に、「固定ギア」です。
これをカッコよく英語で「fixed gear」と呼ぶこともあります。
難解ですね。
でもこの二つの呼び方は同じ意味です。

ギアっていうのは歯車のことで
後ろのホイールにくっついてるコグ(歯車)がハブ(リアホイールの軸)と
完全に連動する
「固定」されている状態ですね。

従ってピストは動きとしては2輪の一輪車みたいなことになります。
ペダルが止まると、クランク・チェーン・ハブ・ギアが全て一斉に停止します。
完全に連動しているので、後ろに漕げば後ろに進む。

対称的に、ピスト以外の自転車は後ろに漕ぐと空転しますよね。
あれは固定されていない「フリー」な状態です。
なので「フリーギア」と呼びます。


競技で使われるピストには、ご覧の様にブレーキが付いてません。

競技用ではブレーキの必要性がゼロなんですね。

トラック内には赤信号も無ければ車も走っていない。
当然、歩行者もいません。

止まるときはペダルの回転を少なくしていって、
だんだん減速して止まるのを待つ感じになります。

そして競技ですから周りにたくさんの選手がいるので
勝手に一人だけブレーキで止まられても危ないです。
だからむしろブレーキは付いてる方がアブナイ。

同じく固定ギアで行われている
公営競技及びギャンブルの
「競輪」

競艇や競馬同様
ギャンブルですから、不正があってはいけません。
伴って車体の規定も超厳密で
よく言う「NJS」というのはこの競技の定める規格のことです。

これにクリアしてる製品・車体じゃないと競技で使えないんですね。
だから写真の様にパッと見皆んな同じ様な車体に見える。

で、やっぱりブレーキは無いですね。

要は
競技としては「必要最低限」で走ってくださいね。
ということ。

競輪もスポーツなので
自転車じゃなくて、ちゃんと人にフォーカスしてますよね。
棒高跳びの選手の棒に、特に注目しないのと同じで
どれだけ漕げるか、どれだけ鍛えているかってことです。

そしてある時
「この自転車、最高にクールだぜ!」と言って
自国で乗り出したアメリカ人がいました。

日本にも無くはないですが、
向こうはいわゆるメッセンジャーの方々がかなり多いです。

彼らにとってはいかに「速く」届けるかがステータスであり
「速く」ないと仕事がもらえなくなってお給料が下がっちゃうんですね。
ウーバーイーツと同じ理論です。

さらには、
ルックスがイケてる・トリックができる・カスタムができる

そんな「遊べる」要素を多分に含んだこの自転車を
仕事の延長で一つのカルチャーとしてしっかり定着させました。
つまり流行ったんですね。


それを見て「いとおかし。」と言ったかどうかは定かではありませんが
なにしろ、そもそも自国のものですから、
日本でも「街乗り」としてもちろん流行ります。

これが日本のピストブームの黎明期。
今から10年以上も前のことですね。

その後すったもんだでいろいろと黒歴史もあり、

それから、公道を走るならブレーキ無いと犯罪ですよ。
って法律ができて、
今の街乗り用のピストはブレーキ付きじゃないと
販売もできなくなりました。



とはいえ、ピストは後ろに漕げばバックができる車体であり
ペダルを止めれば後輪が止まる車体ですので
ブレーキを使わずとも止まることもできます。

止まり方にはいくつか種類がありますが
単純に後ろ方向に力を入れる
・バックを踏む
動作、これは若干のスピードコントロールぐらいです。

しっかりブレーキとして使うのが
・スキッド

↑これですね。

実際、僕も走行中
ほとんどブレーキレバーを握ることはありません。

人が多い時や
飛び出してきそうな気配を感じた時だけ
お守り的に
ブレーキレバーに指を添えて待機してる感じです。

「ブレーキ=最終手段」的なことですね。

そして面白いことに
ロングスキッドにせよ
ショートスキッドにせよ
必要そうだなーと思ったら、
ピストに乗ってる人は脳内で停止位置を「逆算」してそれを行います。

この「逆算」するということは
信号や周囲の交通状況、
人の動きや路面の状態をよくよく観察しているとうことです。



つまりピストのライダーは基本注意深いです。

めちゃくちゃ周り見てます。

もちろん最初は無理でも、慣れと技術があれば
おのずとそういう乗り方になってきます。

「ブレーキがあるから安心」
でも普通の自転車はブレーキが壊れたら止まれないです。

「足で止まれるし、最悪ブレーキがる」
ピストはこれです。
こっちの方が2重に安心じゃないですか?


最後に「ギア比」の話しですが

ピストは前も後ろも歯車が1枚ずつしか付いていないです。
つまり変速ができません。

変速ができない車体のことを
「シングルスピード」と言います。

このシングルスピードの自転車は
地形や速度に合わせてギアを軽くしたり重くしたりすることができません。

ペダルの重さ=推進力
これを数値化した「ギア比」は
基本的には初期設定で
2.7〜3.0っていう値になってます。

シングルスピードのママチャリぐらいの感じです。

この値が軽く感じる、あるいは重く感じる場合は
前の歯車「チェーンリング」か
後ろの歯車「コグ」を替えて対応します。

どちらかというとコグを替える方が手取り早いし、安くすみます。
しかし専用工具が必要です。

チェーン付きの武器みたいな、わけわからん形のやつですね。
コグ回し、と言いますが。

締め付けが甘かったりすると走行中に歯車が脱落して
大変なことになるので家でいじくるのはあまりオススメしません。

不便ですよね。
しかしこの不便さこそがピストの肝です。

「不便=楽しくない」
ことはないと思います。

むしろ得てして不便なことの方が楽しいのではないでしょうか。

自転車に、ただ利便性を求めるのではなく

シンプルに走ることの本質を味わえる
トラック競技レベルの「ポテンシャル」
アメリカで育まれた「ホビー」としての要素

その楽しさを直に感じることができる車体がピストです。


他にもメリットはたくさんあります。

メンテナンス性が高いということ。
そもそもパーツが少ないので、
故障する場所も必然的に少なくなってきます。
おかしな話しですが
ママチャリよりメンテ楽ですまじで。

見た目がシンプルなこと。
フレームのジオメトリー(設計)も
鋭角なものが多く、シャープで洗練された印象ですよね。
見た目の好みからピスト選ぶ人もかなり多いです。

重量が軽いこと。
パーツが少ないから基本軽いです。
重くて困ることはあっても、軽くて困ることはないですよね。
重い方がスピード落ちにくいですが
軽い方が加速が圧倒的に速いです。


とまあこんな感じですね。

こういう雰囲気見て
めっちゃ怖!
ってなる方も中にはいらっしゃるかと思いますが

でも一人一人、
みんなめちゃくちゃ楽しそうじゃないですか?

2021年はより多くの方に、この楽しさを知ってほしい
そしてその魅力にどっぷりとハマってほしい。

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ブローチャーズ吉祥寺

フラッグシップの原宿、横浜、そして大阪と日本のストリートバイクカルチャーを世界に発信する FIXED BIKE SHOP “BROTURES”(ブローチャーズ) 西東京エリアに初進出となる吉祥寺店は、アメリカンカジュアルをテーマに設計。日本で唯一となるピスト専門のアウトレット及び中古買い取り、販売を行う。