僕ね、ラグフレームが自転車の中で1番美しいんじゃないかって思うんです。
ラグってのはフレームのパイプ同士をつなぐ部分のことを言うんですけどね。
これがぶっちゃけ時代遅れなんですよ。
TIG溶接などによる”ラグレス”のフレームがメインストリームを闊歩する現代で、あえてラグフレームを選ぶメリットはあまり多くありません。

改めて言いますね。
僕はラグレームが大好きです。
今やラグフレームを製造しているブランドはそう多くないです。
逆になんで彼らはそんなフレームを作り続けるんだろうって。
そこにはもうリスペクトしかないんじゃないかと。
ロードレーサーの一時代を築いた手法とはいえ、それは昔取った杵柄にしがみつくわけでもなく。
当時は副次的な魅力としていた、この造形美くらいしか取り柄のない残滓。
それがどうしても僕は愛しい。
別に突き詰めた性能を求めているわけじゃない。
ラグレームを作ること、乗ることは、もはや様式美の類であるのでは。

DOSNOVENTA Barcelona Frame Set

今日のブログはこのフレームとハンドルについて書きたかったのでそれ以外は割愛します。
DOSNOVENTAのBARCELONAは彼らの最初で唯一のラグフレーム。
派手なデザインの印象のあるブランドですがこのフレームだけは一貫してシンプル。
シンプルが故にラグフレームの美しさが際立つってもんです。
そしてこのハンドルは個人的にすごく仕入れたかった。
25.4mm径のカーボンライザーバーといえばEASTONのMonkey Liteを思い浮かべる方はなかなか古参なのでは。
今やハンドル径は31.8mmから35mmまで大口径化している中でこんなガラパゴス的なハンドルにどれほどの需要があるのか。
一昔前のピストでは競輪フレームにMonkey Liteが一つの定番カスタムでした。
クィルステムにそのまま使えるカーボンハンドルの選択肢が少ない、というか市場に需要がない。至極当然。
でもピスト乗りはそんな効率がどうとか、そういうことを求めているんじゃない。
ロマンだとか、カルチャーだとか、曖昧で不確定なものにこそ身を委ねるべきだと。
そもそもピストバイクなんて元来便利な乗り物ではないのですから。
世の中、便利になりすぎちゃあいないですかね。
少し不便なくらいが愛嬌があって面白いでしょ。
変な自転車なんですから、変な方向に突き通して尖ったらいいじゃない。
それこそがピストバイクの正しい楽しみ方なんだと思います。
Toshi