家族のためのピストバイク

去年末に素敵なご依頼をいただきました。
内容としては「ハンドル交換」と「バスケットの取り付け」という割とよくあるオーダー。
作業前のビフォーがこちら。

すごい素敵なバイクだけどどこのメーカーだろ?と思って聞いてみると、
よくわかんないけどお父様が昔オーダーをかけたものだそう。
REYNOLDSのパイプや塗装、ラグ、メッキなどこだわりがビンビンに伝わってきます。

お父様から譲ってもらって大切に乗っていたのだと聞いて、そういうのめっちゃ弱い僕はこれはもうブログ書かせてもらおうと。
でもどうしてハンドルを変えたいんですか?

「奥さんと買い物に行くたびに荷物をあんまり持ってあげられないのが申し訳なくて

良い旦那さんすぎませんか?
確かにブルホーンだとバックパックを背負うしかないですもんね。
ただライザーバーにするだけじゃなくて家族と歩幅を合わせて乗りたいとのことで俗に言う「カモメハンドル」を選ばれました。

グリップ部が大きく手元に返って、自然な手首の角度で握れるのでゆったりとした街乗りに最適です。
ヴィンテージテイストなフレームと相まってすごく似合ってます。
後日またブログに書こうと思いますがこれキッカケで僕もカモメハンドルに変えました。

荷台に関してはラフに荷物を載せたいとのことでラックではなくバスケットをチョイス。
突発的なお買い物などで増えた荷物を入れやすいので大きいものを運ばないならバスケットがオススメです。

ブレーキレバーは小ぶりなものよりも握りやすさ重視で3フィンガーのレバー。
ブルホーンもよく似合ってたけど、ブレーキレバーやケーブルのブラックが個人的に少しミスマッチな気がしてたので交換を機にシルバーで統一していただきました。
細かいかもですがこういうディテールにもこだわると全体の完成度がグッと上がります。

そんなこんなで作業完了しました。
めっちゃオシャレ!!
本来はコンマ1秒を争うために生まれたピストバイクをあえて対極な乗り方をするところにロマンを感じます。
効率だけを求めすぎず、スタイルと実用性を両立させた良い塩梅。

ピストバイクの本質って「良い意味でルールがない」ところにあると思うのです。
元々のカスタムのようにしっかり走れる構成はもちろん得意だし、かといってそれ一辺倒でもない。
オーナーのライフスタイルの変化を柔軟に受け入れてくれる懐の深さを感じます。

日本では買った自転車をそのまま乗り続ける人がほとんどだと思います。
生活環境が変わったり、飽きて乗らなくなる。
それは寂しいしもったいない。

今回のお客様のように世代を超えて、使い方がガラッと変わっても乗り続けたい自転車を僕は大切にしていきたい。
そう再認識させていただいたオーダーでした。

今の愛車がなんかしっくりこない、こんなカスタムできるのかな?とか些細なことでもお気軽にご相談ください。
できないことはできないって言いますし、その辺は一緒に考えて最善策をご提案させていただきます。

Toshi

前の記事
一覧へ戻る
次の記事
BROTURES YOKOHAMA
横浜市中区山下町73-2 MAP
045-877-0974
12:00-18:00(定休日無し)
BROTURES YOKOHAMA店の他の記事を読む
#TAG