どう選ぶ? 走りで比べる735TR・LOS ANGELES・DETROIT。
ピストバイクを選び始めると、最初に迫られる大きな選択が
クロモリか、アルミか。
という究極の二択。どちらもフレームに使われる素材のことです。
細身でクラシックな佇まいと、しなやかな乗り味を楽しめるクロモリ。
太いチューブが生み出す存在感と、軽量かつ踏み込んだ力にダイレクトに応えてくれるアルミ。
そしてアルミフレームの中にも、価格や設計、走り方によってさまざまな選択肢があります。
例えばLEADER 721TR。

LEADER 721TR Complete Bike ¥121,000
LEADERのブランドアイデンティティを継承しながら、ビギナーにも親しみやすい価格を実現したエントリーモデルです。
では、「せっかくなら、よりハイレベルなアルミフレームに乗りたい」と考えたら?
ここから先は、価格も、設計も、買い方も変わってきます。
そして何より面白いのが、同じアルミフレームでも、走りの特徴は大きく異なるということ。
今回はその「走りの違い」から、それぞれの個性を紐解いていきます。
完成車価格で20万円を超える、アルミフレームの中でも」「ハイエンド」と呼ばれる世界。
あなたが求める走りに合う一台は、一体どれでしょうか。
LEADER 735TR|楽しみながら、走りを磨いていく。

LEADER 735TR
Frame Set ¥151,800
Complete Bike ¥ 220,000
まずは、LEADERのフラッグシップとして長年支持されている735TRから。
特注のアルミパイプから作られる極太のフレームに、ハイドロフォーミングやスムースウェルディング、そして四半世紀以上に渡りピストバイクを作り続けてきたパイオニアとして、「ストリート最速」を追求した独自のジオメトリー。
素材から造形、走りまで、LEADERの技術と思想が詰め込まれた最高峰のモデルです。
こう聞くと、735TRはピストに乗り慣れた「上級者」が選ぶ、ハードルの高い一台と想像してしまうかもしれません。
ところが実際には、「初心者」でも初めてのピストとして735TRを選ぶ方は多く、その理由を伺うと、
「せっかくなら、最初からしっかりした一台に乗りたい」
「長く付き合えるものを選びたい」
「見た目だけでなく、走りにもこだわりたい」
という声が多く聞かれます。
一台目だからこそ、自分が納得できるものを選びたい。そんな人を惹きつけているのが735TRです。

では、乗るとどんな違いがあるのか。
735TRの特徴は、身体を使って車体を動かしたときの反応を感じ取りやすいこと。
その理由のひとつが、車体後方のコンパクトさにあります。

今回比較するDOSNOVENTAのチェーンステーは2台とも382mm。
対して735TRのチェーンステーは368mm(実測値)と短く、後輪がより身体の近くに収まることで、踏み込んだり体重を動かしたときに、車体が素早く反応する感覚につながります。
一方、クランクの中心 BB DROPは50mmに設定されています。
DOSNOVENTAのBB DROP (41mm)より低い位置に設定されており、コンパクトなリアが生む機敏さに、低重心による安定感を加えられています。
対極に作用する二つの設計を巧みなバランスで構築し、機敏さと安定感を両立している。
ストリートで求められる素早い動きに応えながら、初めてピストバイクに乗る人でも、ライディングを楽しみながら少しずつ操作に慣れていくことができます。
この扱いやすさこそが、LEADER 735TR最大の特徴です。
最初からハイエンドアルミならではの性能を楽しみ、乗り込むほどに自分のスキルも上がっていく。
初めての一台から、その先の上達まで長く付き合える。735TRは、そんな一台です。
そして735TRには、LEADERがパーツ構成まで設定した完成車=Complete Bikeが¥220,000から用意されています。

LEADER 735TR Complete Bike ¥220,000
自分の好みがまだ固まりきっていない一台目でも、まず完成された状態から乗り始め、そこからハンドルやホイール、クランクなどを自分好みに変えていく。

乗り手のスキルが磨かれていくのと同じように、車体も少しずつ自分のスタイルへ近づけていける。
ストリートピストのパイオニアであるLEADERの最高峰でありながら、完成車から始め、その先のカスタムまで長く楽しめる。この懐の深さも、735TRの魅力です。
DOSNOVENTA LOS ANGELES|速さを、自分のリズムで。

DOSNOVENTA LOS ANGELES
Frame Set ¥176,000-
BASIC COMPLETE BIKE ¥319,000-
続いては、スペイン・バルセロナ発のDOSNOVENTAを代表するアルミフレーム LOS ANGELES。
DOSNOVENTAはフレームセットを起点に、自分の好みに合わせて一台を組み上げていく販売スタイル。
BROTURESではその基準として、735TRと同等グレードを目安にパーツを構成したBASIC COMPLETE BIKEを¥319,000から用意しており、ホイールやクランク、ハンドルなどを変更して自分好みに仕上げることも可能です。

DOSNOVENTA LOS ANGELES Basic Complete Bike
LAに限らず、DOSNOVENTAを象徴する設計が、極めて高いBBハイトです。
ブランド名の「DOSNOVENTA」は、スペイン語で数字の「290」を意味し、その由来となっているのが地面からBBまで約290mmというBB HEIGHT。
この独自設計こそ、ブランドの根幹を成すアイデンティティです。

踏み込む、身体を動かす、車体を倒す。
走行を安定させる意図で設計された735TRに対し、DOSNOVENTAはライダー自身が積極的に車体に働きかけ、その瞬発力とレスポンスを引き出していく。
さらに高いBB位置は、車体を大きく倒した際のペダルクリアランスにも余裕を生み、固定ギアでコーナーを駆け抜ける際のペダルヒットを抑える効果も。
加速だけでなく、重心移動やコーナリングまで、ライダーの操作をダイレクトに走りへ変えていく。
これが、LOS ANGELESとDETROITに共通するDOSNOVENTAのブランドコアです。

では、そのDOSNOVENTAらしさを、LOS ANGELESはどう表現しているのか。
特徴的なのは、ライダーと車体の位置関係です。
Mサイズでは、Stack 515mm・Reach 396mm。
上体を無理に低くしすぎず、適度に起きた、力を自然に伝えやすいポジションが作りやすい設計です。
一方、実測したフロントセンターは585mm、チェーンステーは382mm。
735TRに比べて前輪・後輪ともに身体からやや離れた位置にあり、自然な姿勢のまま、前後に広がった車体を大きく使って走れる構成になっています。
この前後の広がりが効いてくるのは、走行速度が上がってからです。
踏み込んだ瞬間の反応はそのままに、スピードが伸びるほど車体は安定し、気持ちの良い巡航が維持できる。
速度の変化に応じて表情を変える車体を手なずけながら、自分だけのリズムを刻んでいく。
それが、LOS ANGELESです。
DOSNOVENTA DETROIT|街を読み、瞬間を駆ける。

DOSNOVENTA DETROIT
Frame Set ¥187,000-
BASIC COMPLETE BIKE ¥330,000-
同じDOSNOVENTAでも、DETROITの性格を一言で表すなら、ストイック。
そのキャラクターを象徴するのが、前方へ向かって下がるトップチューブを持つ「パシュートジオメトリー」です。

DOSNOVENTA DETROIT Basic Complete Bike
この攻撃的なシルエットは、そのままライダーの乗車姿勢にアウトプットされます。
MサイズはStack 487mm・Reach 408mm、シートアングル76°。
LOS ANGELES(Stack 515mm・Reach 396mm、シートアングル75°)に対してハンドルは低く前へ、サドル上の位置もより前方となり、ペダルへ積極的に体重を乗せやすいポジションが作られています。

さらに実測したフロントセンターは575mm。
LOS ANGELESより10mm短く、前後輪の間隔がコンパクトです。
低く前へ構えるポジションは、上体を小さくまとめて空気抵抗を抑えやすく、腰も前方に置かれることで、身体を送りながら力強く踏み込む動作へ入りやすい。さらに前輪側へ荷重を移しやすく、後輪を抜重するスキッドへもスムーズにつなげられます。
そこにDOSNOVENTA共通の高いBBハイトが組み合わさり、踏み込む、重心を移す、車体を倒す。その一つひとつに車体が鋭く応えます。
ストリートでは、信号、車、バイク、人、路面の変化、交差点、曲がり角と、周囲の状況は刻一刻と変化していきます。
空いたら踏む。 詰まれば減速する。 ラインが開けば身体を入れる。そして 次の瞬間、また加速する。
目の前の状況を瞬時に捉え、次の動きを判断した瞬間の躍動。
そのストイックさこそが、DETROITの核心です。
同じ素材でも、楽しみ方はそれぞれ。
同じアルミフレームでも、設計が変われば、街での走り方も大きく変わります。
楽しみながら操作を覚え、自分の走りを磨いていく735TR。
速度の変化に合わせて車体を手なずけ、自分だけのリズムを刻むLOS ANGELES。
刻々と変わる街を読み、瞬間を駆け抜けるDETROIT。
あなたが求めているのは、どんな走りでしょうか。
数字だけを見れば、数mm、数度の違い。
その小さな違いが、実際に跨って走れば、それぞれまったく異なる個性として現れます。
ぜひ店頭で実際の車体を見比べながら、自分ならこの一台でどう走りたいかを想像してみてください。
BROTURES KICHIJOJI
Miya
