作業場からの独り言 その6
大荒れの暴風雨から一転、カラッと晴れて一体何事でしょうね。
風が強くて走るのにストレスを感じる一日でした。
第6回はリムのご紹介。
さっそく進めていきましょう。
自分用となると、リムタイプは迷うことなくチューブラー。
一度その軽さを知ってしまうと、クリンチャーの存在意義は揺らぎます。
高圧まで空気を充填できることによる、路面に張り付くような走行感。
私物ですが、試用できるチューブラホイールがあるので気になる方は一度ご相談下さい。
さて、数あるチューブラーリムの中から選ぶのは
「ENVE(エンヴィ)」
予算が許すのであればこれ以外を使う気は全くありません。
今、アメリカに行けるならばどこに行きたいか。
答えは、ユタ州オグデン。
この街に彼らの本社兼工場があります。見学行きたいです。
以前のブログにもちょこちょこ名前が登場してきたこブランド。
こだわるからにはそれなりの理由があります。
そもそもENVE自体、自分たちの仕事へのこだわりが非常に強いブランドです。
「軽量ながら頑丈、堅いながら快適、高速度でも安定し、耐久性が高いのにメンテフリー」
そんな欲張りなホイールを創り出すのが使命であると言い切っています。
まずは大阪のメカ、フジモンがブログにも書いていた特許部分。
ENVEのリムには後から穴を開ける工程がありません。
リムにはスポークを通す穴、バルブを通す穴が不可欠ですが、
その穴を開けるために、成形後のリムにドリルを差し込むことは、
”連続して繋がることで強度を生み出しているカーボン繊維” を切断してしまうことになります。
断裂したカーボンで強度を得るには、余分な厚み、それに伴う重量が必要になってしまいます。
そこで、ENVEは成形の段階でスポーク穴、バルブ穴を製作する技術を開発。
カーボン繊維を切断させないことで得られる利点は、
他のカーボンリムとはっきりと ”レベルの違い” を見せつけてくれるリムに仕上り、
リム強度の確保はもちろん、組み上げた後のホイール全体の強度をも高まることになります。
次にENVEのリム内部を見ていきましょう。
リム内面の美しさは軽さへと結びつきます。
荒れたリム内部は、余分な重量になるばかりでなく、回転した場合の不安定なバランスも発生させます。
モールド成形されたリムを内側から膨らませて押し付ける「空気袋」を使用する技術で
コストは他社よりも掛かってしまいますが、軽量で無駄のない美しいリムになります。
軽さを得るために必要な部分を削るのではなく、
コストを掛けてでも妥協のない、より完全なものを製品とする。妥協は敵です。
また、もう一つこのブランドは特許を取得しています。
現在のラインナップの主軸になっている「SESシリーズ」
「Smart Enve System(スマートエンヴィシステム)」と呼ばれる技術の採用です。
流体力学に基づいたリム形状は空気を受け流し、安定性の向上に一役かってくれます。
前後で異なるリム高さ、異なるリム幅で得られるアドバンテージは
実地テストの繰り返しで得られた結果に基づく設定になっています。
「Impact Test」
”サイクルモード” などの自転車イベントにENVEがいれば 「破壊実験」に挑戦させてもらえます。
コンクリートブロックにリムを思い切り叩きつけて、壊せたら記念品贈呈といわれましたが
とても人力で壊せる硬さではありませんでした。手が壊れます。
そして彼らの刺激的なプロモーションムービーもまた、信頼度の高さをを示すものが多いです。
「 The ridge」
ここまで過激なライドをしてもビクともしないリムを
オンロード、舗装の綺麗な日本の街中で乗ることにおいて
何の心配事があるでしょうか。むしろオーバースペック気味でしかありません。
「Handmade in the USA」
ENVE Composites - Handmade in the USA from Kevin Winzeler on Vimeo.
ENVEの回し者のような文章になってしまいました。
「リム(ENVE)について」タイトルを改めるべきだったかと思います。
ベタ褒めのゴリ推しはいかがでしたでしょう。
ENVEでお腹いっぱい、胸焼けしているなら、それは幸せってことです。
次回は「スポークにまつわるエトセトラ」をお伝えしていきます。
よろしくお願いします。
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