作業場からの独り言 その7
今回のテーマは「スポークについて」
他の部品に比べると、入荷しているブランドが少なく選択の幅は狭い部品です。
店頭でオーダーを受ける場合も、お客様の予算に合わせることが第一ですので
なかなか個人的に満足できる1本というのは、なかなかできないのが現実です。
(お客様のパーツで自分の欲求を満たすなという話ですね)
「予算」という言葉が出てきました。
ご紹介するスポークを知っている人は ”割高” と考える方が多いです。
が、そのスペックや必要性なんかを考えると決して高くはないですし、
自分のホイールを組むとなると、余程のことがなければこのブランド一択です。
「SAPIM(サピム)」
オススメしたいスポークは「CX-RAY(シーエックスレイ)」という
扁平形状(エアロ形状)のスポークです。
手持ちのホイールのどこかに、このロゴが貼ってあればそれはサピムの仕事。
高いとウワサのスポーク。
気になると思うので早速比較してみましょう。
ベラボーに高くはないことがわかります。
どちらかというと、DTスイスの方が全然高級品なような。
”HOSHI スポーク” は国産ならではのお手頃価格。
さてこのサピム、特にCX-RAYについて一体何が優れているのでしょうか。
まずは、頑丈さ。
自転車で走行していてスポークが折れる場合、大半は首が折れます。
(荷物を挟めたりすると変なところから折れますね)
ここが首。
左は首が飛んだ状態、右が通常状態です。
ほとんどのスポークは首の先端部分(顔?)に自社の刻印を入れていますが
サピムの刻印は首もとの下、本体部分にあります。
「首が飛んでもサピムだと判別できる」というのが
逆にそこへの自信を表していると言えます。
とはいえ、日常での走行でバキバキ折れるものではないので
街乗りでは保険掛けとしてや、安心感を手に入れる意味合いが大きいです。
次、軽いです。
スポークを束にして手に取ると露骨に違いを感じます。
せっかく同じホイールを組み上げるなら、軽い方がいいです。
(軽さが全てというわけではありませんのであしからず)
ZIPPやHEDをはじめとした様々なホイールブランドがサピムを採用しているのは
おそらく軽量なホイールを仕上げられるのもあると思われます。
カタログに重さを記載するのであれば、より軽い方が見栄えしますもんね。
最後は、高い靭性。
聞きなれない言葉ですが「粘り強さ」と言い換えてもOKです。
硬くて強い、いわゆる高剛性のホイールを組み上げるためには
スポークテンションを高くホイール組みする必要があります。
そこで必要なのはスポーク硬さ(剛性)よりもしなやかさ(靭性)。
CX-RAY自体、指で曲げると90度以上軽くしなります。
剛性は全然ナッシングですが、靭性が非常に優れているスポークです。
スポークの靭性が結果として、ホイールの剛性を生み出すことになります。
自分が個人的に勉強させてもらっている某自転車店でも
このスポークへの信頼度は高く、間違いのないパーツだと自信を持って言えます。
ホイール組みをオーダーする際はぜひリクエストして下さいね。
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