ピストバイクのクランク交換
まずは準備から

クランク交換の作業をする場合は、しっかり準備をしておきましょう。
安定した場所で、メンテナンススタンドなどを使用して車体をしっかりと自立させ、あらかじめチェーンをクランク(チェーンリング)から外します。
その際、チェーンがフレームや地面に触れて汚れや傷の原因にならないよう、布やウエスで包んでおくのがおすすめです。
おすすめスタンドはこちら→WILLWORX SuperStand
布やウエスはなんでもいいですが、洗って繰り返し使用可能で、車体のクリーニングにも使用可能な”MUC-OFF LUXURY MICROFIBRE POLISHING CLOTH”を持っておくといいかも。
さて準備が完了したら、早速クランクの種類ごとに脱着方法を紹介していきます!
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さて、クランクの種類は大きく分けて3つ。
「カートリッジ式スクエアテーパークランク」
「ダイレクトクランク」
「カップアンドコーン式クランク」
それぞれ構造や使用する工具、やり方も異なるため、まずは自分のバイクにどのタイプが付いているのかを確認しましょう。
早速、クランクの種類別に交換方法を紹介しているので、自分が使っているクランク・これから変えたいクランクはどの種類なのかを確認してから作業していきましょう!
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1.「カートリッジ式スクエアテーパークランク」

カートリッジ式スクエアテーパーは、最もオーソドックスな構造で、完成車の多くに採用されています。BB側にシャフトとベアリングが内蔵されており、回転不良やガタつきが出た場合はBBごと交換して対処します。

必要工具
・グリス
・六角レンチ(8mm)または14mmソケットレンチ
・15mmコンビネーションレンチ
・コッタレスプーラー(クランク抜き)
・BBツール
・スピンナハンドル
・トルクレンチ
【外し方】

1.六角レンチ(8mm)または14mmソケットレンチを使用してクランクボルトを外します。
なお、左右とも通常の正ネジとなっており、反時計回りに回すことで外すことができます。


2. クランクのコッタレスねじ山に、コッタレスプーラーを取り付けます。
コッタレスプーラーは分解可能な構造になっているものあるので、先端パーツを外した状態で取り付け、モンキーレンチなどを使用してしっかり締め込むと安心です。
※奥まで確実にねじ込めていない状態で作業を行うと、クランク側のねじ山を傷める原因となりますので、十分ご注意ください。

3. 15mmコンビネーションレンチを使用し、コッタレスプーラーを時計回り(正ネジ方向)へ締め込んでいきます。
締め込んでいくと、クランクがシャフトから押し出され、クランクが外れます。


4. スピンナハンドルにBBツールを取り付け、BBとしっかり噛み合っていることを確認します。
そのまま回してBBを取り外します。回すときにBBが外れないように押さえつけながら、回します。体で包み込むように車体を支えて、下に落とすように力を入れると外しやすいです!
なお、ドライブサイドは時計回り、ノンドライブサイドは反時計回りで緩む構造となっております。
完!!
【取り付け方】



1.BBシェルおよびBB本体のねじ山部分に、しっかりとグリスを塗布して、BBをBBシェルのねじ山に合わせて取り付けていきます。
なお、ドライブサイドは反時計回り(逆ネジ)、ノンドライブサイドは時計回り(正ネジ)で締め込む仕様となっております。
最初から工具は使用せず、まずは手で回して入れていきましょう。
途中で引っかかりを感じたり、極端に重くなる場合は、ねじ山が正しく噛み合っていない可能性があります。その際は無理に締め込まず、一度取り外し、BBシェルに対して垂直になるよう角度を調整して取り付け直してください。(反対側からシャフトを持つと垂直にしやすいです!)



2. BBがある程度はまったら、本締めを行います。
手で回らなくなった段階で、トルクレンチを使用し、60N前後を目安に本締めを行います。
※正確な規定トルクはBBによって異なる場合がありますので、必ず説明書やメーカー推奨値をご確認ください。






3. シャフト側の四角部分とクランク側の四角穴の向きをしっかり合わせ、クランクボルトを締め込んでいきます。
ボルトを締め込むことで、クランクがシャフトへ圧入されていきます。最後にトルクレンチを使用し、40Nm前後を目安に本締めを行います。
※こちらも正確な規定トルクはクランクによって異なるため、必ず説明書やメーカー推奨値をご確認ください。
また、取り付けの際は、クランクを正面から見た際に左右のクランクアームが一直線になるよう、向きを確認して取り付けましょう。
完!!
2.「ダイレクトクランク」


ダイレクトクランクは、クランクアームとシャフトが一体化したハイエンドパーツに多く採用されるクランク構造で、スクエアテーパー型に比べてシャフト径が太くベアリングも外側に配置されるため、軽量かつ高剛性を実現しています。
※固定方法や規定トルクはクランクのモデルによって異なるため、必ずメーカーのマニュアルに従って作業を行ってください。
(特にSUGINO SG75 DD2やROTOR VEGAST CRANK SETのようなモデルは締め付け手順が細かく指定されており、誤った方法で固定すると破損や故障の原因になるため注意が必要です。)

必要工具
・グリス
・六角レンチ
・OBBツール
・スピンナハンドル
・トルクレンチ
【外し方】

1.ノンドライブサイドの固定ボルトを六角レンチで緩め、左クランクアームを外します。
※固定方法はクランクによって様々なので、ユーザーマニュアルや取扱説明書を必ず確認して推奨される取り外し方法で行ってください。

2.右クランクアームを引き抜きます。
引っ張るだけでは抜けない場合は手やゴムハンマーでシャフトをノンドライブサイドから叩くことで抜けやすいです。(クランクが落ちないようにクランクを支えながらやること!)

3.スピンナハンドルにBBツールを取り付け、BBとしっかり噛み合っていることを確認します。そのまま、ドライブサイドは時計回り、ノンドライブサイドは反時計回りに回してBBを取り外します。
完!
【取り付け方】


1.OBB(アウトボードBB)とBBシェル両方のねじ山にグリスを塗布し、ねじ山がしっかり噛み合っていることを確認しながら、手で回して入れていきます。
※ドライブサイドは逆ネジ、ノンドライブサイドは正ネジです。
(BEAT CRANKを取り付けの際はノンドライブサイドのBBとBBシェルの間に付属のスペーサーを一枚入れてお取り付けください。)



2.手で回せなくなるところまで締め込んだら、BBに記載されている規定トルクを確認し、トルクレンチを設定して本締めを行います。


3.シャフト部分にもグリスを塗布し、右クランクを差し込みます。
その後、クランクを正面から見て、左右のクランクアームが一直線になる位置で、左クランクアームを取り付けます。

4.左クランクアームを持ち、フレームに対して上下・左右に動かしてガタつきがないか確認します。さらに手で回してみて、回転が重すぎたり引っ掛かりがないかもチェックしましょう。目安としては、軽い力でスムーズに回転し、一周の中で引っ掛かりがなければ問題ありません。
ガタつきがある場合や回転が渋い場合は、【外し方】を参考に一度取り外し、BBシェルとOBBの間に入れるスペーサー枚数を調整して、「ガタつきなし・回転スムーズ」な状態を目指します。
この調整は少し難しいため、不安な場合は取り付け後にBROTURESやお近くの自転車店でチェック・調整だけお願いするのもおすすめです。
まずは自分で取り付けられたことを褒めてあげましょう!
また、ダイレクトクランクはカートリッジ式スクエアテーパーに比べて専用工具が少なく済む反面、OBBにはさまざまな規格が存在します。
そのため、使用するOBBに合った工具を揃えることが重要です。規格や適合で分からないことがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください!
完!
3.「カップアンドコーン式クランク」


3種類のクランクの中ではこれが一番コツがいるかもしれません。
ですが、その分調整の出来が回転性能に直結するため、うまく仕上がった時の達成感は格別です。カップアンドコーン式が採用されているのは、主にNJS認定品と呼ばれる競輪競技で実際に使われるグレードのクランク。
代表的なモデルではSUGINO SG75やSHIMANO DURA-ACEがあります。
機械的に組み付けるカートリッジ式とは異なり、人の感覚で玉当たりを調整することで、圧倒的に滑らかな回転性能を引き出せるのがこの構造の魅力です。
ベアリングボールが露出している構造上、定期的なグリスアップなどのメンテナンスは必要になりますが、しっかり調整できれば唯一無二の滑らかな回転を生み出します。

必要工具
・六角レンチ(8mm)(14mmソケットレンチの場合も)
・15mmコンビネーションレンチ
・ロックリングレンチ
・ピンスパナ
・トルクレンチ
・コッタレスプーラー
・薄口スパナ
【外し方】




1.クランクボルトを外し、クランクのコッタレスねじ山にコッタレスプーラーを取り付けます。※奥までしっかりねじ込まないと、ねじ山を傷める原因になるので注意です。
15mmコンビネーションレンチでコッタレスプーラーを時計回り(正ネジ方向)に回します。すると、クランクがシャフトから押し出されるように外れます。


2.ノンドライブサイドのロックリングを、ロックリングレンチを使って反時計回りに回して緩めます。強い力が必要になるため、工具の引っ掛かりがしっかりハマっていることを確認し、外れないよう押さえながら作業しましょう。

3.ピンスパナ(かに目)を使用し、穴に突起をひっかけて反時計回りに回して緩める。

4.BBシェルが露出したノンドライブサイド側から、シャフトを引き抜きます。
この際、ベアリングボールが落ちてくる場合があるので、紛失しないよう注意しましょう。最近のBBはボールがリテーナーでまとまっていることが多いですが、NJSフレームなどに使われている古いBBでは、ベアリングボールが独立して入っている場合もあります。
作業中に床へ落として紛失しないよう、慎重に進めてください。

5.最後に右ワンを取り外します。
ここはロックリング以上に強い力が必要になることが多く、僕たちでも外すのに苦戦することがあるポイントです。工具が外れないようしっかり押さえながら、時計回り方向へ力をかけて緩めていきます。(コツとしてはジワジワではなく、一気に力をかけるのがポイントです。)
特にNJSフレームでは、右ワンにネジ緩み防止剤が塗布されている場合もあり、かなり強固に固定されていることがあります。万が一どうしても外れない場合は、無理をせずBROTURESはもちろん、お近くのショップへ依頼するのがおすすめです。
固着したBBは、熱したり冷やしたり、時には衝撃を加えたり…試行錯誤しながら頑張らせていただきます!
【取り付け方】

1.グリスを塗布したベアリングを右ワンへセットし、BBシェルへ取り付けます。
この時、ベアリングリテーナーはボールが見える側ではなく、土台側が下になる向きで配置します。
右ワンを反時計回りに回して取り付けます。
最初は工具を使わず手で回しながら入れ、BBシェルとワンのねじ山がしっかり噛み合っていることを確認しながら作業を進めましょう。


2.薄口スパナを使い、反時計回り方向へ力を加えて右ワンをしっかり締め付けます。
かなり強く締め込む必要があるため、工具がしっかり噛み合っていることを確認しながら、外れないよう工具を押さえつけながら作業しましょう。

3.グリスを塗布したシャフトをノンドライブサイドから差し込みます。
続いて、グリスを塗布したベアリングを左ワンへセットし、左ワンを時計回りに回してBBシェルへ取り付けます。その後、ピンスパナを使用して締め込んでいきます。
作業中はシャフトを回転させたり、上下に動かしたりしながら締め込みを行い、
「回転に引っ掛かりがない」「ガタつきがない」両方の状態になるよう、少しずつ締め具合を微調整していきましょう。

4.ロックリングを時計回りに回して取り付けます。最初は手で回して、固くなってきたら、ピンスパナで左ワンを押さえながら力を入れて締め込んでください。
再度、シャフトの回転やガタ付きをチェックし、異常があったらロックリングを外し【取り付け方3】の工程に戻って再度調整してください。ここが回転のスムーズさを左右する重要な工程、一切の妥協は許さない気持ちでいきましょう。
5.最後に左右のシャフトにクランクアームを取り付ける。
完!
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クランク交換はこんな感じ。
今回はざっくり3種類に分けて紹介しましたが、実際はクランクごとに取り付け方法や規定トルクが細かく異なります。作業する際は、必ずメーカーのマニュアルや記載されている規定トルクを確認しながら進めてください。
新しい家電でも「とりあえず触ってみる派」の人、多いと思います。
ですがクランク交換に関しては、一度しっかりメーカーマニュアルを読むのがおすすめ。
最悪、使う前に壊れてしまいますからね。
もし「自分でもクランク交換にチャレンジしてみたい!」という方がいれば、
ぜひLINEでもメールでもお気軽にお問い合わせください。
作業手順のサポートはもちろん、必要な工具選びや規格確認まで、しっかりお手伝いさせていただきます。
では、また。
BROTURES ONLINE