あなたの愛車すっぴんのまま走っていませんか?
皆さんこんにちは、BROTURES HARAJUKUのルネです。
この間グループライドのブログを書いたところでしたが、またこんなにもすぐに皆さんと画面越しでお話しする機会が出来るとは大変嬉しい限りです!
普段本も、新聞も読まない私なので、ブログを書く事が不安ですが、どうぞ温かい目で見守ってください!
そして今回書き上げるブログは私ルネが以前より皆さんにお届けしたいと思い描いていた、"メカブログ"です!
これから継続的に書いていこうと思っているルネのメカブログでは、BROTURES HARAJUKUで日々組み上げているピストバイクの作業内容などがどんな風に行われているのかや、どんな事の為に必要なのかを、メカニックスタッフのルネが紹介していこうといものです!
それでは早速記念すべき第一弾のテーマを発表いたします。
『フレームの下処理のお話し』
皆さん自分が乗っているフレームの下処理はしていますか?
まず、下処理とはなんだ?と思う方もいるとは思います。下処理とは主にフレームのBBシェルの「タッピング、フェイシング」、ヘッドチューブの「フェイシング、リーミング」と呼ばれる作業になります。
フレームの下処理を例えるのならば『下処理とはメイクアップのようなもの』事かと。
※いきなり女性スタッフらしい例えですいません。笑
フレーム下処理前の状態は、女性が街中をすっぴんで歩いてるようなもの。勿論、すっぴんの状態でも綺麗な女性は多くいますが、女性というのはメイクアップしてアクセサリーをつけ、より魅力が輝きます。
ピストバイクも同様に、愛車にハンドル、クランクなどそれぞれのパーツという名のアクセサリーを纏っている中、フレームの下処理を行っていないすっぴんの状態でお洒落をしても、私は勿体ないと感じます!
だって取り付ける素敵なアクセリー(パーツ)の輝きを最大限に活かせないかもしれないのですから。
ちなみにこう見えて私自身、すっぴんの状態では家一歩も出られません、、笑
そんな例え話はさておき。
今回は、パーツ達のスペックを最大限に引き出す事の出来る、フレームの下処理について詳しく紹介していこうと思います。
下処理はなぜ必要なのか?
下処理がなぜ必要なのか?そもそもフレームの下処理という言葉を今日初めて知った人に関しては、そんな疑問が生まれてしまうはず。
必要な理由としては、ピストバイクのフレームには色鮮やかな塗装やフレームを形成する上で随所に溶接が施されています。
その細かな塗装のムラなどにより垂直な面やネジ山が確保されてない事が実はあったり。
フレームによって起こり得る製造上の個体差を可能な限り取り除く為に、下処理は基本的に行います。
下処理具体的にどんな作業をしているの?
もっと気になるのは、実際に下処理ではどんな作業をしているかという事ではないでしょうか?
基本的に下処理の作業では、フレームに取り付けを行うBBやヘッドパーツのスムーズな回転とベアリングの耐久性を確保する為に、以下の項目の作業を行います。
・BBシェル、ヘッドチューブ端面の切削加工「フェイシング」
・ヘッドチューブ内径の切削加工「リーミング」
・BBシェルのネジ山をより綺麗にする切削加工「タッピング」
というこの、3点がとっても大切になってきます。
フレームにパーツセッティングを行う為に、肝となる下処理ですが、残念な事にパーツをつけてしまうと隠れてしまう。
そこで本日は、今話題の『Dosnoventa detroit』のフレームと共に、下処理の工程を処理したフレームの場所が隠れる前に、チラ見せ致します。
下処理前のフレームの状態がこちら。
元々、綺麗に塗装されているものの細かい塗装ムラが実はこんな風に残ってしまっていたり。
それではまず、ヘッドチューブの「フェイシング、リーミング」から行っていきます!
ヘッドチューブのフェイシング時に余分な塗装剥がれがないようにヘッドチューブへのテーピングはマストで行います。
そして、切削時の摩擦抵抗により切削面の切削時に凸凹としたムラを無くす為にも、切削油を注油する事も重要なポイントになっています。
切削後がこちら。
切削前と違い、こんな風にピカピカになっているので、ヘッドパーツの取り付けで隠れてしまうのが、少し寂しかったり、、、笑
ベアリングとフレームが接する面を綺麗に下処理する事で、ヘットパーツの渋みやガタつきを抑え走行時の故障のリスクを減らしてくれます。
ベアリングのガタがある状態で乗り続けてしまう事で、ヘッドパーツが正しく取り付け出来ず、フレームやフォーク自体にベアリングの凹みが出来てしまい、ハンドリング性能の低下が生じます。
ヘッドパーツの下処理を行い、ハンドリングがスムーズに行える事によって、手首への負担の軽減や、ハンドリングの安定性能にも繋がり、よりストレスのない走りを行う事が可能となります!
続いては、BBシェルの「フェイシング、タッピング」。
ヘッドチューブの下処理同様、余分な塗装剥がれを防ぐためマスキングテープを使い、切削油もたっぷり使い作業を行います。
ヘッドパーツの下処理と異なり、横に押す力も必要となるので、力のかけ方がおかしいと、ガタガタと凸凹した面になりかねない為、力任せに行うのではなく、
横に押す力=6割。回す力=4割。と、感覚的な話にはなってきますが、一つ一つ繊細な作業となっております。
下処理前ですと、塗装がのりBBシェル幅が『68mm』以上である事が多く、適性の『68mm』以上でも以下の幅のままクランクを取り付けてしまう事で、特にダイレクトクランクは、過度な力を加えてしまうい、ベアリングの渋さが生じ、ペダリングが重く感じたり足首や膝への大きな負担に繋がる事もあったり。
チェーンラインがうまくセッティング出来きず、音鳴りが生じ、チェーンリングやコグの摩耗が激しくなったりと、日々の蓄積で一個一個のパーツの寿命が縮んでしまう事も考えられます。
フレームへの過度な負担に繋かねないので、本当に下処理作業は重要なんです!
切削後がこちら。
目で見てわかるピカピカ具合い。
ネジ山がこれだけ綺麗にきられていると、BBも取り付けし易くなります。
BBの取り付け時にしっりと精度が保たれれば、ピストバイクの心臓部とも呼ばれるクランクがスルスル回り、最大限のスペックを発揮してくれ、漕ぎ出した時のストレスや疲労軽減にも繋がります!
こんな風に、日頃目では見えない下処理の工程ではありますが、本当に良い事ばかり。
下処理をしているのと、していないのとじゃ走り心地やパーツの寿命も大違い!
自分の愛車が下処理をしているのか分からないそこのあなた。
メンテナンスがてらフレームの下処理をしているのか確認する事も可能ですので、どうぞお気軽にお立ち寄り下さいね。
最後に一つ注意しなければならないのが、フレームの下処理が必要でない物もあるという事。
それはと言うと、NJSフレームとチタンフレーム。
この二種類は、元々溶接、フレーム製作時に塗装などを全て考慮した上でフレームが作られている為、とても精度の高いフレームとなっています。
この二種類に関しては必要ないのでお気をつけ下さい!
他、アルミ、鉄、カーボンが使われている物に関しては、フレームの下処理というものはとても大切になります。
BROTURES では、全店舗にてご納車前の車体や今乗られてる車体のフレーム下処理の作業を行なっております。
もう、このブログを読んだそこのあなたは、愛車をすっぴんで走らせる訳にはいかないですよね?
物事にはすべて意味があるとよく先輩に言われます。
BBやヘッドパーツの下処理一つ一つにもちゃんと意味があります。
少し長くなってしまいましたが、ルネのメカブログ第一弾『フレームの下処理の話』は以上になります。
こんな感じで、第二弾のメカブログも書いてみようと思いますので、また画面越しでお会い致しましょう!
勿論店頭で皆さんに会える事も楽しみにしております。
それでは。
ルネ。