作業場からの独り言 その3
昨日、桜花の終了をお知らせする雨が降りしきった関東ですが
散った後の川や堀、路地をぎっしりと埋める桜も、風情があってもう一杯お酒が飲めそうですね。
さて今回はシートポスト。
シートピラーと言ったりもしますが同じ部品です。
サドルとも少しカブる部分がありますので悪しからず。
お尻の下のカスタムは、走るのが好きな人ほど効果が出る部分です。
自転車は左を踏み込めば左に、右を踏み込めば右に傾きます。
地面との接点を軸に、ユラユラしながら前に進んでいきます。
車体の左右挙動を最も感じられるのが「立ち漕ぎ」ですね。
そのユラユラの一番遠い部分がサドル、次がシートポスト。
メトロノームを考えてもらえるとわかりやすいですが、
重りが重いほど、遠いほど、揺れは強く大きくなります。
もっともロスのない挙動が、
地面に対してブレることなく垂直な状態で進むことなので
左右に振れればその分、無駄な動きを、無駄な力を消費しているということになります。
そのロスを最小限にする努力をするのがポストの目的のひとつ。
あと、意外と雑な扱いを受けているのは「シートポストのオフセット」です。
ハンドルとの距離が近くなって乗りやすいなど、サイズ合わせの一環というのは良くない考え方。
サドルとハンドルの位置を調整するのはステムの仕事ですからね。
オフセット値はサドルとクランクの位置関係を決める大事な数字。
「オフセット+サドルクランプの位置=クランクに対するサドル位置」
を決めていきます。
極端な話、
オフセット0mmでサドルを最前にセットするとは腰が入って、より立ち漕ぎに近い状態。
オフセット25mmでサドルを最後部にセットすると、腰が逃げて姿勢が前傾に、懐が広くとれる状態になります。
(一般的にシートポストのオフセットはほとんどが0mmか25mm、もちろん厳密には色々ありますが)
立ち漕ぎに近いと、体重を乗せた強いペダリングができますが高回転には向きません。
懐に余裕があると脚が回しやすくなり、パワーよりも回転を意識した走りがしやすくなります。
サドル位置の決定には厳密な決定方法があるんですが、
ホワイトボードで図解しながらでないと、さすがに言い表せる自信がないので省略させて下さい。
フレームのシート角度にも同じことが言えて、
一般的にロードバイクは角度が浅く、回転を維持しやすい設定に。
ピストバイクの場合あは角度を起こして、ペダリングパワー重視になっていたりします。
。。。文字で説明するのは本当に難しいですね。
店頭で質問してもらえたら、1日3回までは身振り手振りお話するので気になる方は是非。
そんなお話をした上で、今回自分の一台用に選んだパーツは
「ENVE シートポスト オフセット0mm」
シートポストではひとつの終着点だと個人的には考えています。
覚えておいてください「ENVE(エンヴィ)」です。
このブランド、自分は好きが加速しすぎてPCにデカール貼っちゃうくらいです。
ENVE だけは譲れません。
キーワードは「強すぎるカーボンブランド」
その時が来たら改めてお話ししたいと思います。
シートポストの回、いかがでしたでしょうか。
内容が近いこともあり次回はサドルでいきたいと思います。
お楽しみに。
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