作業場からの独り言 その4
最高気温が20度、最低気温が10度を超えると非常に走りやすい気候ですね。
今が自転車のベストシーズン、楽しんでますか?
さて前回はシートポストについてお話ししましたが、
軽量化という点では、今回のサドルも同じことが言えるので割愛します。
では何について話すかといいますと
まずは「サドルとお尻の痛みについて」いきましょう。
お尻が痛いとは言うものの、お尻の筋肉が痛くなることはそんなにないはずです。
よく聞く話は「蟻の門渡り」と呼ばれる部分だったり「尿道の圧迫」なんかが原因になりがち。
原因はこんなにパッドの薄いサドルだ!と交換をしてみたり、
角度を滑り台のごとく前下がりにしてみたりと試行錯誤が始まるわけですが、
痛くない人はカーボンむき出しのペラペラカッチカチのサドルでも痛くないですし、
「座面」であるべきサドルで、お尻が滑り落ちるほどの角度が正しいセッティングなわけがありません。
そもそも大事な調整を見落としています。
フレームのサイズが適正かつ、ハンドルの位置が極端に遠くない場合
サドルが水平な状態で痛みが出る原因は、「ポジションが高すぎる」以外に考えられません。
嘘だと思う方、まずは15mm下げてみてください。
高すぎるサドルは拷問となんら変わりません。
特にピストのライダーは、この高さはプライドの高さだと言わんばかりにサドル位置を高めます。
無理はよくありません。高めるのはモチベーションくらいにしておきましょう。
MASHなどの海外ライダーのクールなムービーでは、
高いサドル位置、長いステム、という姿に一度は誰しも憧れるとは思いますが、
実は彼らのフレーム選びは日本人のそれよりも小さめだったりします。
そしてもう一点、彼らと比較すると日本人は手足長が足りません。
LEADER BIKES のライダー Emi Brown大先生のバイクがわかりやすいですが
フレームはSサイズ、高いサドル位置、100mm以上のステム長ですが
実際の彼の身長は163cmくらいだったと記憶しています。
では高さでお尻の痛みが解決できるのであれば
なぜ各社こぞってここまで様々なサドルを発売しているのでしょうか。
話はここから始まります。
適正なセッティングでサドルを使用している上で、サドルとの付き合い方を考えます。
走行距離はどれくらい、どんな漕ぎ方をする、どんなバイクなのか。
あとはルックスも大事ですよね。
有名ブランドのサドルを実際に見ていきましょう。
自分が最近、好んで使用しているのが「Selle San Marco(セラサンマルコ)」
イタリア三大サドルブランドの一翼をになう大御所です。
BROTURES では取り扱いの少ない商品ですが、ご希望があればご注文お受けしますのでご相談下さい。
そのサンマルコの中で、比較しやすいのは
座面がフラットな「Mantra(マントラ)」(画像1,3,5枚目)
座面がアーチを描いている「Concor(コンコール)」(画像2,4,6枚目)
シートポストと組み上がって写真に写っているのがマントラ、
単体で写真に撮られているのがコンコールになります。
また他のブランドでも同じような作り分けは見て取れます。
こちらもスポーツサドルの有名どころ「fizik(フィジーク)」の
座面がフラットなシリーズは「ARIONE(アリオネ)」(画像7枚目)
座面にアーチをかけているのが「ALIANTE(アリアンテ)」(画像8枚目)
中間には「ANTARES(アンタレス)」というモデルもありますが省略です。
さて「フラット型」と「アーチ型」どう使い分けたらいいのでしょうか。
巡航、ロングライド、高ケイデンスなスタイルならアーチ型。
その逆ならフラット型といいったイメージで選んでもらえるといいと思います。
アーチ型のアーチ部分にしっかりと骨盤をセットしてペダリングできる一方で、
フラット型はどこに座っても一定のお尻ホールド力がペダリングをサポートします。
ピストバイクに当てはめると、フラット型がやや向いているように思いますが
高ケイデンスという利点からアーチ型を選ぶのもアリな選択肢ですね。
ということは、ピストバイクにおけるサドルの選択肢は
「本人の好み」ということになってしまいそうです。。。すみません。
せっかくなので、人気のあるブランドをご紹介しておきます。
すでに登場している大御所「Selle Sasn Marco」
セラロイヤル社の高級スポーツライン「fizik」
あともう1ブランドはこちらも大御所「Selle Italia(セライタリア)」
この3つをを覚えておくと間違いがありません。
ちなみに全てイタリアンブランドで、頭に「selle」がつきます。
「セラ」と呼んでいますが正しくは「セッレ」と読み、
意味は「(馬などの)鞍」、転じて「サドル」の意味になります。
はい、今回のサドルについて、いかがでしたでしょうか。
時間をかけて読んでくれている人に、より有益な情報をお伝えしなければという
強迫観念にも似た義務感と責任感が、頭の中を圧迫して
徐々に自分で何を言っているのか見失いながらも突き進んできました。
まだまだ続きます、次回は「ハブについて」
引き続きよろしくお願いします。
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