VOLAVIGA!

昨日自分の携帯に知らない番号から着信がありまして、出てみたら
「その携帯私のです!拾ってくれたんですね!」と言われました。

どうも、「いいえ、僕の携帯です。」ミヤです。


さて本日は。

こちら。

今年の3月ぐらいにUSEDで入荷していた、CINELLIのクリットレース優勝記念モデル“VIGARELLI”。

全世界限定136本のみの限定生産、かつ日本国内入荷台数はたったの30台しかなかったという幻のフレームです。



CINELLI VIGARELLI Custom Bike ¥601,685-


今回は遠方のお客様からオンラインでご注文を頂き、ありがたいことにそのまま吉祥寺店でバラ完までオーダーして頂きました。

ラフな街乗り、否。トリックバイク、否。
今回は、その出自でもある「クリットレース」でも十分に戦える、本気のレーシングマシンが完成しましたので
その模様をバイクチェック。



Deda スーパーレジェラ RS RHM カーボンバー ¥43,800(TAX IN)

Deda スーパーレジェロ RS シュレッドレスステム 28,100(TAX IN)

TRP RL951 Carbon Lever ¥8,580(TAX IN)


まずはハンドル周りから。

この3パーツ、全て足しても360g程度しかありません。
並みのハンドル・ステム・レバーの組み合わせの場合は500g前後になることを考えると、
スモールパーツ群でのこの総重量は、相当に軽いと言えます。

ハンドルバーは特殊なドロップ形状を採用し、ドロップ部を握った時にも前腕部にハンドルバーが接触する事を防ぎ、延長されたバーエンドにより、より自由度の高いポジション選択が可能。

ステムは3D冷間鍛造7050アルミ製でチタニウム・クランプボルト使用、100mmで100グラム程度しかないという超軽量ステムです。


ちなみにTRPのブレーキレバーはハンドル同様カーボン製。75g。

Dedaと言うとどうしても本気のロードバイク感が強かったり、モデルによっては少しいなたいというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、ハイエンドなグレードのものはデザインも締まって、見た目にもグッとかっこよくなるのでオススメです。高いですが。


Selle Italia Flite1990 ¥15,950(TAX IN)

Deda スーパーレジェロ 0mm カーボンシートポスト ¥30,500(TAX IN)


サドルは絶賛メーカー完売中のフライト。
軽さだけを求めれば選択肢は他にもたくさんありますが、シャープなレースシング形状、かつ本革を仕様したトラディショナルで味のある雰囲気はフライトならでは。

ハンドル、ステムに続きDedaで合わせたシートポストはやはりカーボン製。185g。
独特で癖のあるエアロ形状が味噌。



Velo City Quill × Philwood Low Flange Track Hub 手組みホイール Front ¥58,630(TAX IN)

今回はバラ完に合わせて、前後ホイールの手組みオーダーも頂きました。

Velo CityのQuillは一本あたり465g。
人気のH PLUS SON のAT-25あたりとほぼ同等の重量ですが、チューブレスにも対応し、高い剛性を保ちながらのこの重量は非常に軽量と言えます。

ハブは名実ともにキングオブハブの名を欲しいままにするPhil WoodからLow Flangeをチョイス。
「ローフランジとハイフランジ、違うのは見た目だけ?」とよく聞かれます。
もちろんと言うか、フランジの質量分、ローの方が軽いです。
その分強度が下がるとも言われますが、スポークが32本もあれば強度面はむしろ高いと言え、心配には及ばないでしょう。



Velo City Quill × Philwood Low Flange Track Hub 手組みホイール Rear ¥61,930(TAX IN)

SUGINO SG75 Silver ¥ 49,500(TAX IN)

SUGINO SSG144 Silver ¥25,740(TAX IN)

SHIMANO ULTEGRA SPD ¥21,017(TAX IN)

クランク周りのアッセンブルも秀逸です。
チェーンリングとスパイダーとの面一の嵌合が完成度の高さを物語るSUGINOのドライブパーツは、見た目のラグジュアリーさも去ることながら、ダイレクトクランクの硬さのあるフィーリングとはまた異なるスルスル感や、バネのような粘りのある加速性もまた魅力。

ペダルは吉祥寺店のカスタムとしては大変珍しく、シマノのビンディングペダルをご注文頂きました。
このあたりからもオーナーの本気度が強く感じられ、スタッフとしても俄然気合が入ります。


CONTINENTAL GATORSKIN ¥8,000(TAX IN)

締めのタイヤはコンチネンタル ゲイタースキン。

ここ1~2ヶ月欠品が続いており、その間試しに他メーカーのいろんなタイヤを仕入れましたが、
新たなタイヤとの出会いもありつつ、なんだかんだでこのタイヤがいかに優秀であるかを改めて思い知らされた次第。

・コロコロと軽く転がる転がり性能、
・表面が擦り切れて繊維が剥き出しになってもパンクしない圧倒的な強度
・ルックスの良さ
これらの要素が高次元でバランスよく共存しているのがこのゲイタースキンです。
強いて言えば、個人的にはややフィーリングが硬く、クッション感が低いのが難ですが、そこは好みが別れるところ。
必ずしも全員にとってのマイナスの要素ではないのかと。


以上、軽さ・回転性能・強度など、ピストバイクを構成する様々な要素の中から、
オーナーにとってのプライオリティーを吟味し、選び抜いた珠玉のカスタム。

聞けばもともと735TRに乗っていたという今回のオーナー。
いろんなパーツを試して、好みやモノの良し悪しを知っているからこそ、今回のバラ完が完成したのだと思います。

誰かも言っていましたが、
パーツ選びに際し、スタッフの意見やネットのインプレも大変重要な指標であることに間違いはないですが、
結局その好き好きや、単純に体に合う合わないなどの物理的なジャッジメントは完全に「使ってみてのお楽しみ」であるということもまた事実。

「求めよ、さらば与えられん」

常識や価値基準なんて目に見えない曖昧模糊とした指標よりも、自分の感じたことや信じられる確かなものをこそ、自らの愛車にフィードバックしていく。

それが前人未到のカスタムバイクを創り上げる、唯一の方法ではないでしょうか。


最後に、この類まれなレーシングマシンに敬意を評して「VOLAVIGA!!」

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