僕らが白楽にいるワケ
ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、BROTURES ONLINEを運営しているのはこの横浜店。
YOKOHAMAなんて言えば聞こえは良いですが、ここは横浜市神奈川区斉藤分町。超がつくローカルショップです。
立地が立地だけに、他の原宿や大阪、吉祥寺のようにお客さんがたくさん来てくれることはそんなにありません。
いやらしい話、実店舗だけではてんで儲からないんです。
だから、と言うわけではありませんがオンラインショップも運営することで僕らはオマンマ食わせていただいてる訳です。
実際、店舗の売り上げなんてオンラインショップのそれに比べたら雀の涙。
数字だけを見れば、あってもなくても良い存在です。
むしろ、在庫を抱えるリスクや人件費などのランニングコストを考えれば、経営側からするとない方が良いのかもしれません。
じゃあ、なんでそんな僻地で10年近くも頑なに店舗を出し続けるのか。
様々な立場の様々な意見があるとは思いますが、個人的に大事だなと感じることを2点ほどお話します。
ネットが普及して、便利な世の中になったもんです。
知りたい情報が知りたい時に手に入る。家にいながら24時間買い物ができる。
素晴らしい。もう家から出なくてもいいかもしれない。
ただ、ネットは有能であって万能ではありません。
僕は詳しくない分野のモノを買う時まずネットで下調べをします。
そして必ず売ってるお店に赴いて、その商品に長けているスタッフの方とお話ししに行きます。
どんな人がどんな時にどんな風に使っているのか。
これがネットでは得難い情報の一つである「経験」です。
その経験を非常に高い鮮度で得ることができるのは、実店舗の良い点だと思います。
実際にスタッフの方と話してみて、買わないこともあるし、別のものを買うことだってある。
それが本当に自分に適したモノなのか。それとも他のモノなのか。
これはネットだけで完結するのはなかなか難しい部分かもしれません。
もうちょっとだけお付合いください。
BROTURES YOKOHAMAの近くには神奈川大学があります。
ここでよくある一コマを。
学生さん「なんか自転車の調子悪いんですけど見てもらえますか?」
僕「もちろん。どの辺がですか?」
学生さん「なんかガタガタするんです。あとちゃんと進まないっていうか。」
僕「なるほど、これネットで買いました?これならすぐ直りますよ。」
学生さん「本当ですか?やっぱり安モンはそれなりなんですね。。」
これが僕の中でなにより大切で、実店舗の存在理由だと思っています。
いわゆる「アフターケア」ですね。
できればそこの学生さんたちにも生涯補償であるリーダーとかを乗ってもらいたいのが本音です。
でもそれはなかなか現実的ではないですよね。
あまり予算のない方が自転車を買うとしたら、やっぱりネットで格安の完成車をご購入されることが多いです。
自転車はメーカーからお店へ出荷する際に8部組みくらいの中途半端な状態で届きます。とりあえず自転車としてのパーツをくっつけたような感じ。
通販で売られている格安の自転車はこのままお客さんに出荷しちゃうことが多いんです。
そういうところに限って店舗を持ってないから、売ったらお終い。
実際にそれで困ってうちにいらっしゃる方も多いです。
薄利多売の利益最優先の商売が悪だ!なんて言うつもりはありません。それを求めている人も必ずいますから。
でも僕はそういう方針に疑問や抵抗を感じます。だってお客さんが困るのが目に見えてますもん。
他人の幸不幸にそんなに興味はありませんが、自分のせいで人が不幸になるってのは気分が良いもんじゃありませんしね。
それなら自分が売った自転車を目一杯楽しんでもらいたい。
そう考えると、幾らかのリスクを払ってでも実店舗は必要不可欠な存在なんだな、と感じます。
売り上げよりも大事なこともある。それがBROTURES YOKOHAMAの存在意義でもあります。
なのでピスト専門店なのに割りと関係ない自転車が常駐してたりします。
恐らくというか、間違いなくBROTURESの中で最も”ユルい”横浜店。
そんな大義名分を自分に言い聞かせて、今日もタバコをふかして皆さんのご来店をお待ちしています。タバコ吸わないけど。
気が向いたら遊びに来てやってくださいね。
toshi
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