【お客様の愛車】ビーチクルーザールックなHOW I ROLL

厳冬期もすっかり過ぎ去り3月に入ろうとしています。

これからの季節、新たに自転車に乗り出そうと考えられているお客様も多いらしく、冬に比べ来店やオーダーも増えてまいりました。

本日は当店でピストバイクのバラ完をオーダーして下さったお客様の、今までにない個性的かつハイスペックな一台をご紹介させていただこうと思います。

HOW I ROLL × T19 Cruiser

CUSTOM COMPLETE

一見するとビーチクルーザーのようなシルエットのこちらの車体は、以前にBMXやピストを中心に取り扱う’’W-BASE’’と、東京を代表するスケートブランド’’T19’’がコラボして生まれたピストバイクです。

上記で述べやように見た目は本当にビーチクルーザーに見えるものの、120mmのトラックエンド、立ち気味のシートチューブやフォーク角度、ショートなホイールベースなどのトラックバイクのフレームジオメトリーがしっかりと落とし込まれており、ピストらしいクイックな乗り味やスピード感あるライディングも楽しめるモデルとなっています。

そんな特性を持ったこちらのHOW I ROLLのシルエットを引き立て、乗りやすいクルーザールックに組み上げつつ、コンポーネントにはしっかりとしたハイスペックなパーツをインストールしているためかなり調子の良い快速な一台が完成いたしました。

それでは各部のディテールに目を向けていきたいと思います。

ホイールは前後共にPhilwoodのラージフランジトラックハブをチョイス。

作りの精度がよく頑丈なため、ホビーユーザーからトラックレーサーまで高い支持率を持っているハブとなっています。

リムにはH PLUS SONのSL42をチョイスしました。

存在感のある42mmミドルハイトのアルミリムで剛性感が高く曲がったり壊れたりしにくいのが特徴です。

ハブの特性と組み合わさり、気持ちよく走れる頑丈なホイールが完成しました。

ポリッシュカラーでまとめた美しいホイールに、ホワイトウォールのタイヤが西海岸ぽさを醸し出しています。

続いてドライブトレインを見ていきます。

ひときわ存在感を放つクランクは、なんとPhilwoodのものを選んでいただきました。

クランクアームからチェーンリングまで、アルミの塊を贅沢に削り出して作られた高精度かつ高剛性なPhilwoodのクランクは非常にレアなパーツとなっており、この記事を書いている当スタッフも初めて実物を目にしました。

ピカピカのクロームカラーがクランク本体の細部のディテールを強調するかのように輝いてめちゃくちゃ綺麗です。

目立つ部分ではないためカスタムを後回しにされがちなコグやチェーンも、バッチリハイスペックなものがインストールされています。

ホワイトインダストリーのフリーボディは空転時のラチェットのカチカチ音が耳に心地よく、フリーセッティングで乗られている方に是非一度試していただきたいパーツで

ギアの歯送りがスムーズなMKSのチェーンとの組み合わせで、滑らかな走行感をご体感いただけるセッティングです。

ピストバイクユーザーはなかなかこだわる方の少ないブレーキですが、付けるならやはり見た目も性能もしっかりとしたものをチョイスしたいですよね。

One By EsuのRight on brake moreは大胆な肉抜きが施された軽量性に優れたキャリパーです。

剛性を落とすことなく肉抜きされたキャリパーはまさに機能美といった感じの造形で、ブレーキをカスタムしたい方には必ずオススメするパーツです。

ヘッドチューブのヴィンテージ風なHOW I ROLLのロゴと、現代的なデザインのブレーキ、相反する特徴のコントラストが面白いです。

視点を少し上に上げてハンドルに目を向けます。

VELO ORANGEのプロムナードバーがこの車体の少し緩めな雰囲気を作り出していると言ってもいいでしょう。

街乗りに適したアップライズとバックスウィーブが調子良さげです。

ステムはPAULのBOXCARステム。

この車体に使われている多くのパーツと同じ、アルミ切削で作られたステムで精度も剛性もバッチリです。

かなり良い製品なのですが、なかなか使っている人もいないので珍しいパーツです。

スレッドステムコンバーターを使ってアヘッドステムを取り付けている点にも、このステムに対するこだわりを感じます。

ブレーキレバーはトランプ柄が可愛いPAULのショートリーチブレーキレバー、グリップには経年変化が楽しめるBROOKSのレザーグリップが取り付けられています。

サドルにはBROOKSの個性的なものがインストールされています。

ピストバイクであれば同社SWALLOWやSWIFTをチョイスする方は多いですが、フレームの雰囲気とマッチするようにスプリングがついたものに決定。

イギリスで100年以上昔から製造されるBROOKSのレザーサドルは質感や肌触り共に上質な

上記で紹介したグリップと同じく、経年変化が楽しめるのが大きな魅力です。

クルーザールックな少し緩めの雰囲気ながら、ハイスペックなパーツでガンガン走れる仕様のギャップが面白い、本当に今まで見たことのない個性的なカスタムバイクが完成しました。


ピストバイクと聞くと一般的にはかなりレーシーなものをイメージすると思いますが、カスタム次第でどんな表情にもなるのがピストバイクの魅力の一つです。

走って楽しい、見て楽しいピストバイク、是非こちらの記事を読んでいるお客様も興味が湧きましたらカスタムに手を出してその楽しさを感じていただきたいです。

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