ホイールに軽さだけを求めた先にある落とし穴。

「ホイールは軽ければ軽いほど良い」──
そう思ってた時期が僕にもありました。
しかし軽さだけにフォーカスして突き詰めたそのホイールは、苦労と費用の割にそんなに快適ではありませんでした。
確かに軽さは大きなアドバンテージではありますが、ストリートに関してはそれだけでは不十分です。
このブログでは、「軽さに加えて本当に注目すべき性能」とそれを踏まえて組み上げたホイールをご紹介します。
- ストリートのシチュエーション
ノンストップのレースと違って街乗りはストップアンドゴーの繰り返しです。
リムは軽いほどレスポンスがよく、漕ぎ出しが楽になるのでやはりある程度の軽さは欠かせません。
では路面に目を向けてみましょう。
アスファルトの凹凸や継ぎ目、段差、路地裏の荒れた道。
必ずしもコンディションの良い舗装地というわけにはいきません。
この細かな振動はボディブローのようにジワジワと身体に疲労を蓄積させます。
また市街地ほどカーブが多く、安定感やコントロール性に乏しいホイールでは不必要に力み、これもまたストレスに直結します。
リアルな使用環境では「軽さ+快適さ+コントロール性」のバランスが必要なのです。
- その条件を満たすホイール
これらの条件を満たしつつ、ピストバイクはルックスにもこだわりたい。
性能が良くてスタイリッシュ、そんなホイールを組んでみました。
HED. Belgium R x DURA-ACE HB-7710 Track Hub
このレベルの高い合格点を超えるリム オールウェイズ出してくれるのがHED。
Belgium Rは軽量・高精度&高剛性・ワイドリムの三拍子が揃っているので、どんな用途でも高い要求レベルに応えられるホイールに仕上げることができます。
リムの精度が高いことでハンドリングの挙動が安定します。
思った通りに動いてくれて、余計な力で制御する必要はありません。
さらにワイドリムによりタイヤは幅広でエアボリュームが多くなります。
段差・荒れた路面でも衝撃吸収が高く、安定感が増すことでより顕著にコントロール性の向上を感じ取ることができるでしょう。
疲労感が減ることで仕事後や休日の行動量・選択肢が広がり、時間と体力に“貯金”を生むのです。
そしてスポークにもこだわってみました。
今回チョイスしたのはSAPIMのLASER。
2mmと1.5mmのダブルバテッドスポークなのですが、実はCX-RAYとほぼ同程度の性能だと言われています。
しかも価格は約1/3です。
噂によるとCX-RAYを扁平する前のスポークがこのLASERだとかそうじゃないとか。
ということは軽量かつ剛性を上げてレスポンスの良いホイールに仕上げることができるってこと。
ただ堅すぎてしんどくならないようにハブはスモールフランジにしてスポークを長めにとりました。
カッチカチというより、電気自動車の高出力モーターのような加速度的に滑らに伸びるシルキーな乗り心地。
気持ち良いはずです。
SHIMANO DURA-ACE TRACK HUB HB-7710
肝心のハブには信頼の回転性能のDURA-ACE。
バチっとセッティングされたカップアンドコーンのベアリングほど回るハブはありません。
競輪でも使用される本格派。
極めてスムーズな回転性能で、ホイールの軽さ以上に推進力を感じることができると思います。
このイナたいデザインも好いですね。
- まとめ:ホイールを、ただ軽くするだけで満足ですか?
軽いホイールは確かにメリットは多いです。
しかし、ストリートでのリアルな乗り方では“乗り心地・コントロール性・安心感”が重要。
長く・安全に・気持ちよく街を走りたいなら、“軽さ以外”も見るべき価値があるということです。
今回組んだこのカスタムホイールは軽快さと快適性のバランスが絶妙な仕上がりです。
移動の“質”を変えたい方はぜひお気軽にご相談くださいね。

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