NJS OR NOT.

昨日は久々に井荻の「麺壁九年」さんまでかっ飛ばしてきました。
近々二号店がオープンするらしいです。

どうも、和え玉はラーメンと同時に頼む派。ミヤです。

さて本日は。

ここのところ欠品がちだったクランク、特に「NJS認定」の顔ぶれがこの度まとめて再入荷しました。

「NJS」とは、日本自転車振興会のことです。
競馬・競艇に並ぶ公営競技「競輪」の選手が使うことのできる機材は全て、安全面・公平性の観点から、NJSが設ける厳格な基準を満たした上でその「認定」を受けたものでなくてはいけません。

言うまでもなく、「プロのための機材」として製造される背景から、この認定を受けているパーツは例外なくピストバイク界での最高品質を誇り、無駄の無い造形美と圧倒的なタフネスを兼ね備えます。


中でも本日は、自転車の「心臓部」や「エンジン」とも称され、推進力の中枢を担うパーツ、
“クランク”に焦点を当ててご紹介。



SUGINO SG75 CRANK (SILVER / NJS)¥49,500(TAX IN)

現代的な「軽量性」を謳うクハイスペックなランクとは異なり、ずっしりとした重量感がありますが
そのウィエイトに比例した強い遠心力により、ほとんど暴力的によく回ります。


SUGINO MC144 CHAINRING (SILVER / 非NJS) ¥31,460(TAX IN)

今回取り付けたチェーンリングは同じくスギノ製の「MC144」。
大胆な肉抜きが施され、同メーカーを代表するチェーンリング「ZEN(禅)」と比較し、軽量性においてより優位性の高いパーツです。
この極めて薄いアーチで、クランクにかかる爆発的な負担に耐えていると思うと脅威です。
熟練かつ卓越した技術あってこそ実現する無比のディテールですね。

ちなみにこちらは強度よりも軽さをとっているため、NJS認定は受けていません。

SUGINO SG75 CRANK (BLACK / 非NJS) ¥51,700(TAX IN)

お次は前述のSG75(SILVER / NJS)の、ブラックアルマイト加工バージョンです。


吸い込まれるような漆黒を纏った、黒好きには堪らない黒すぎる仕上がり。

無垢のシルバーの上からさらにアルマイト加工を施すという工程を経て、極上の高級感放っています。

言語化やまどろっこしい説明が不可能なレベルで直感的に「かっこいい」と思わせられる魔力を持った一品です。

...が、黒で覆うことで誤魔化しが効いてしまうため、NJS認定は受けられず。
結果我々エンドユーザーだけが得をするという、珍品でもあります。

SUGINO SSG144 CHAINRING (BLACK / 非NJS) ¥27,500(TAX IN)

取り付けたチェーンリングは、今回写真では登場しませんが、スギノのNJS認定チェーンリング「SSG144」の、これまたブラックアルマイト仕様のもの。

クランクとは対照的に艶消しのマット仕上げとなり、非常にフルボディなテイスト。

MC144やZEN 144に比べ安価な設定ながらクランク同様、NJS認定を受けている「シルバー」を加工した「だけ」なので、もちろん精度の高さに影響はなく、クオリティは業界トップクラスの代物です。

SHIMANO DURA-ACE FC-7710 ¥61,679(TAX IN)


世界シェアNo,1という圧倒的なブランド力を持つ「SHIMANO」は、数あるラインナップの中でも最高峰の製品ラインである“DURA-ACE”部門から、NJS認定クランクを製造しています。



スギノのそれと比べるとより扁平なフォルムを採用し、かつ中身が空洞になっているとから、
BBを含めた重量がSG75と比較しより軽いというアドバンテージを持つDURA-ACEクランク。

カンパニョーロの「Record」を彷彿とさせる丸みを帯びたシェイプに懐かしさも感じられ、「かっこいい」だけではなく、どこか愛嬌のある表情も魅力的です。

SHIMANO FC-7710 CHAINRING ¥13,898(TAX IN)

取り付けたチェーンリングは同じくNJS認定のDURA-ACEチェーンリング。

スギノのSSG144に近いライトでクセのないデザインですが、こちらは可能な限り肉抜きが施されていながら、
NJSの製品検査を通過していることから、より確かな強度を備えているということが分かります。

ちなみに2022年現在で、NJS認定を受けているメーカーは「SUGINO」と「SHIMANO」のわずか2社となり、
国産のプロトラック機材で探すとなるとこの選択肢以外はありません。

違いは踏んでみてのお楽しみですが、よく言われるインプレッションとしては
ダイレクトクランクのように、比較的硬さを感じるのがDURA-ACE。
少し重いが、粘り(バネ)を感じるのがSG75といった感じです。


そもそも競輪選手が使用する上で、大きなスペックの違いがあってもいけないので、
どちらが良い悪いということもなく、あくまで見た目やフィーリングの「好み」の部分で選択してもらうのが吉。

そして実は、本日紹介したどちらのメーカーの製品も、既に数ヶ月前より数千円単位で大幅な値上が行われています。

「いつかは」と思っている方も多いとは思いますが、
昨今の社会情勢を考えると、そのうち本当に目も眩む金額になってしまうかもしれないので、
いろんな意味で、今買っておいた方が賢明です。


その美しすぎる造形を眺めるているだけで酒が進みそうな、日本が世界に誇るマスターピース。

NJSか、そうでないか。

そんなファクターからピストを考えてみるのも、また面白いと思います。


それでは。

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