店長の735TR Vol,1

既に各店舗のブログでも公開されている"俺の735TR"

→横浜店はこんな感じ←

LEADER®︎のフラッグシップモデルである735TRを、各店舗1人が代表して制作。

今までに無い試みで、何故かBROTURESではスタッフのピストバイクを皆さんにご紹介する機会がありませんでした。既にBROTURESでピストを購入頂いている人、これからの人、実際に店舗のスタッフが乗っている車体はもちろん気になるところなのに。

だから、私原宿店の平本もいち早く、このブログを公開したかった。

がしかし、拘りが強すぎて、構想がまあまあ重た過ぎて、はじめの1歩を踏み出せませんでした。笑 中途半端なものは造る気ないし、そんな車体を紹介するつもりもありません。だから半年くらいかかります。長い目で、ゆっくり制作したい。

そう。そもそもの買い物という行為に対して、その時間を楽しむモノだと強く思っています。

コレだ!と決めて、悩み、苛立ち、喜び、全ての感情が詰まりオーナーと造り手の想いを形にする。ここが乗り物を購入する面白さの醍醐味だと自負しています。いざ手元に収まる時より、その渦中の時の方が熱量高め。正直、本当に拘り抜くのであれば1ヶ月、2ヶ月で満足のいくモノが仕上がるなんて到底思えません。個人的に時間と完成度は比例しているような気さえもします。大凡急いで仕上げた車体は後々後悔する。とはいえ、造り手側としてはいち早くお客様の手元に届けてあげたい、というジレンマはいつものこと。それでもインポート中心でやっていると思い通りにはいかないモノ。

、、、とまあ、前置きは長くなりましたが。笑

僕が今回仕上げる735TRのテーマ。それはズバリ"American Traditional"

日頃からカーカルチャーやバイクカルチャー、そして80sから90sにかけてのアメリカ雑貨や音楽、映画、歴史に関しては特に強い拘りと執着を持っているつもりです。

大戦後、高度経済成長期のクリエイティブなアメリカも好きだけど、80/90年代のアッパーなアメリカが個人的には好み。実はLEADER®︎が産声をあげたのも、ギリギリの1999年というのはあまり知られていない話かもしれません。

その時代はアウトサイダーやトップガンという、いかにもなロールモデルがスクリーンの世界を席巻し、至る所でザ・スミスやガンズがこの時代に街中で流れていたはず。デニムを愛し、フラッシュダンスのジェニファーに夢中。70年代までの反骨精神プンプンなレジスタンス世代を経て、若者の執着がお金やファッション、車に移り変わる時代の境目。世の中ではジョンレノンが殺されてベルリンの壁が崩壊。どこか混沌とした、だけど最もエネルギッシュであった時代。実際にこの目で見てきた訳ではありませんが、身の回りの触れるものや情報から、そんな景色を思い浮かべる事が出来ます。そんな時代を背景に今回は制作します。

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そして今回選んだ735TRはこれ。


Lサイズです。僕の身長は178cmで適正サイズとなりますが、このサイズ、無理がない身長の人、MかLで迷っている人は是非とも選んで頂きたいサイズなんです。

それは何故かーーー

総合的なバランスが故に。LEADER®︎はじめ、ピストバイクと呼ばれる自転車には、大抵700cという規格のホイールが組み込まれています。そのホイールを様々な設計が施されたフレームへアッセンブルし、ピストバイクがこの世に存在します。

この700cという規格に対して735TR Lサイズのジオメトリーがまあ美しいこと。

トップチューブC-Cで55cm、シートチューブC-Tで56cmというチューブで構成されたLサイズは非常に綺麗な前三角を実現し、前輪からホイール:フレーム:ホイールのバランスで捉えた時に1:1:1という見事なまでに完璧なシルエットを保ってくれます。(超個人的に笑)

MサイズのトップチューブC-Cで54cm、シートチューブC-Tで54cmという長さは一見綺麗な三角形のように数値上感じますが、シートチューブがトップチューブに比べてやや短く、個人的にルックスだけの話をするのであればLサイズのバランスが一番好き。175cm近くある人は是非Lサイズをセレクトしてみて欲しいです。今の735TRは非常にタイトな設計の為、多少無理してでも乗れるかとは思います。

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そして今回、モチーフとしてイメージしているのは尊敬するバイクビルダーのMark Drew。彼が作り上げる数々の作品、これを存分にオマージュさせて頂こうかと。

彼のことを知ったのは恐らく人生で初めて行った横浜のホットロッドショー。18thかな、19thあたりかな。

この頃はちょうどiphoneの第一次世代3Gが普及され始め、パカパカ携帯からスマートフォンへと皆が関心を深めていく時代。

今みたいに誰しもがSNSという言葉を口にすることはあまりなく、情報源といえばまだまだ紙媒体の時代。もちろんインターネットはしっかりと普及されていましたが、今ほど目で見える情報は少なかった。そんな時代に、海を越えた大陸で活動しているビルダーの作品を自分自身の目で見て体感出来るなんて、まあ贅沢極まりない話でした。

毒々しい見た目、まだ行ったことの無かったアメリカ本土の大地を駆け巡っていたであろう空気感、セオリーを度外視したフィニッシュ。20歳そこらの僕にはあまりにも刺激が強く、初めて憧れの地をその肌で体感した瞬間でもありました。

地元の土地柄、軍のキャンプ地がある為、幼少期より"それなりの"アメリカンカルチャーは感じてきたつもりですが、これは間違いなく本物でした。

そんなインスパイアを存分に詰め込んだ一台を、都会的な印象を持つ現代のストリートバイクに落とし込み、思いっきり逆舵でノスタルジックに迫ってみます。乞うご期待。

YUSUKE



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