DONTZERのNJSビルダーとBROTURESのコラボフレーム第2弾。 コンセプトはモデル名のFANGO(=泥)のように、オフロードにも対応したアドベンチャーバイクです。
市街地での走行はもちろん、オフロードを走る上で必要な太いタイヤが入る設計であったり、頑丈なクロモリという素材を全てのパイプで使用し、トリック遊びに耐え得る強度も確保されています。
【アドベンチャーバイクとして必要な要素はしっかり完備!】
往年のピストバイクは基本的に28mmのタイヤまでしかインストール出来ませんでしたが、こちらのFANGOは市街地の他にオフロードも走っちゃおう!トリックも楽しんじゃおう!っていうフレーム。 ユーティリティーに富んだ走りを実現させる為に、35mmまでの太いタイヤが入る設計となっています。
競輪ビルダーによるワイドプロファイルなフレームはある意味矛盾しているようで、オンロードからオフロードまでシームレスに走破できる唯一無二なバイクです。 さらにハードなブレーキングを必要とする本機はVブレーキ(カンチブレーキ)台座を有しながら、キャリパーブレーキも取り付けられる取付穴を完備したフレーム となっています。 乗り手の多様化に伴い、自転車も色々なシーンで様々な事を求められる時代となりました。 例えば今乗っているピストから載せ替えでFANGOを乗るなら、そのままほとんどのパーツを使えるし、山やキャンプに持って行って、トレイルを走りたいんだって人はVブレーキやカンチブレーキを使えばいいし。 そんな互換性の良さも魅力的。
【メインの素材として選ばれたのは規格外で超ハードなパイプ!?】
バイクのコンセプトを体現するためにダウンチューブ、トップチューブ、ヘッドチューブにはTANGEのCHAMPION NO.3を採用しました。通称"HEAVY DUTY TUBE"と呼ばれるタフな素材 を使用し、職人の手により一本一本丁寧に製造されています。 本来であればこのNO,3はBMXやマウンテンバイクのハードなライディングを支えるパイプとして知られていますが、ピストバイクに使用されるなんてことは滅多に無いそう。 これが兎に角硬く頑丈。
また、このパイプを全てのセクションで使ってしまうと硬すぎて単純に乗りにくいだけの自転車になってしまう。 そこでシート下に伸びているシートチューブだけはCLASSICOで採用されたNO,2の軽量でしなりのあるパイプを使用。 太さの違いとしては0.1mmだけですが、これは数値以上に踏み心地やお尻へのプレッシャーを劇的に変えてくれる斬新なアイディアでした。
【ルックスは今までのクロモリフレームには無い特徴的な太さ】
今回のFANGOですが、一般的なクロモリフレームはじめNJSフレームで見受けられる25.4mmや28.6mmの太さでは無く、ちょっと太めのパイプで構成している点がフォルムとして特徴的。 皆さんがよく見かけるシンプルな細身クロモリフレームとは一線を画しています。 トップチューブは34.9mm、ダウンチューブは38.1mm。 数値でイメージするのは難しいけど、実際に見るとかなり太く、クロモリフレームとしては非常に新鮮なルックスを放っています。
その他はシートステーにカイセイパイプだったりチェーンステーにCOLUMBUS。フォークも贅沢にCOLUMBUS。各セクションに最も有効なチューブをセレクト出来るという点で、ハンドメイドフレームは圧倒的に有利で有益。 工場大量生産のファクトリーメイドでこの拘りは不可能です。
【オフロードも走れて加速性に優れているという奇跡のジオメトリー】
街中で走る上で大切な立ち上がりの加速性にオフロードを走行出来る走破性を兼ね備えた最強マシン。 一般的にオフロードを走るという自転車であればホイールベースは長く、ヘッドやシートアングルは寝ているもの。それで安定感のある走りが実現できる。 よって、こちらのFANGOも市街地での快適な走りは他のピストバイクに劣るのでは?と思われる方も多いはず。 がしかし、このFANGOは高めのBBハイトと立ったシートアングルという攻めたジオメトリーはトラックバイクから継承し採用することにより、加速性能さえも得た奇跡のフレーム となっています。
VIDEO
体感で分かることといえば剛性に富んだ素材を使っているからフレーム自体は持つとドッシリしてるんだけど、乗ってみるとすごく軽い。 スムーズな立ち上がりが特徴のフレーム。
【荷物を積載すれば一泊二日のバイシクルキャンプも夢じゃ無い】
このフレームのギミックとして面白いなと感じたのは、リアエンド部に取り付けられたダボ穴。 これがあることにより、リアキャリアを装着することが可能になりました。 これは今までのNJSフレームには無かった構造。 これが有る/無いでアドベンチャーバイクとしての可能性が大きく変わってくる。 シングルのテント、コット、椅子にテーブル。これくらいのギアはリアに積載し、フロントラックも取り付けて着替えや食料を積載。
これからのシーズン、この遊び方を是非してほしい。移動がギアとなり、移動が遊びになります。
【DONTZERビルダーがFANGOを製造した中で感じた想い】
実はこのBROTURES×DONTZERという企画、元々はBROTURESにてメカニックとして務めていた株式会社TRの岡崎くん、通称"トム"が仕上げてるんです。だから余計に熱入っちゃうよね。
日本の数少ないハンドメイドビルダーとして成長著しい彼が一本一本丁寧に溶接した珠玉のフレーム。 TRさんは競輪ビルダーとして日々フレーム制作に全力を注いでいる訳ですが、もちろん「速い」に特化した乗り物をハンドメイドで仕上げています。 そのビルダー曰く、このFANGOはとにかく強度、剛性に全振りしたフレームだそう。 それはTRとしても初の試みで、世界的にも新しいチャレンジがコラボレーションとして実現出来たのでは無いかと感じています。
まさに多様化の時代を象徴するフレーム。 とまで言っても過言では無いはず。 この6本立てがFANGOの魅力。
だけど、このフレームにはまだまだ書ききれないスペックや拘りがたくさん詰まっています。そのあたりはBROTURESのチーフメカニックである藤本のYouTubeをご覧ください。
VIDEO
限定15本、完全受注生産の貴重なフレーム。 通勤の足として使い、休日は市街地から離れて外遊び。そんな贅沢がこの一台で完結します。